「さて、期末テストも終わってあとは夏休みを迎えるばかり!」

「3年生は実力テストがありますけどね~」

「まぁ3年生はテスト慣れしておくことも大切やからな。時間配分とか解けそうな問題の取捨選択とか。」

「でも、テストばっかりで息つく間もないというか、ずっと勉強していなきゃいけないイメージです」

「ん?何言ってんだ。学校は3年生にのんびりさせようなんて思ってないぞ。さっさと受験勉強体制に入ってくれって考えてるからな。だからずっと勉強してなきゃいけないイメージってのは学校にとっては望んでいる姿だ。素晴らしい!」

「別に嬉しくないです」

「まあまあ。とはいっても夏休みがあるわけだし、その間は授業が進まないんだから、この期間を利用していろんな事をしたいよな!」

「旅行行きたい!」

「いいんじゃない?夏休みだし。まぁコロナウイルスがちょっと不安ではあるが。」

「えっ、いいんですか?てっきり『勉強しろ~』って言われるかと思ってました」

「そりゃ勉強もしなきゃいけないのは当然だけど、じゃあ夏休み期間ずっと勉強に集中できるかって言ったらそうじゃないだろ?」

「しんどいです。ただでさえ勉強嫌いなのに苦行でしかないです」

「だからメリハリをもって生活しなきゃ。勉強するときは勉強する。遊ぶときは遊ぶってね。だから旅行に行くなら旅行を楽しめばいいんじゃないか?」

「あとになって、夏休みもっと頑張っておけばよかったとか後悔しませんか?」

「夏休みに入る前からその心配が出来てるなら大丈夫だ。後悔しないように今のうちから夏休みの大まかなスケジュールを作ってしまおう。もちろん遊びや旅行も含めてな。」

「遊びや旅行もですか?」

「ご家族の都合もあるだろうからあれだけど、『4日間は旅行』みたいなかんじで枠を作っておけばいい」

「なんか不安なんですけど」

「心配ない。もし後になって夏休みの過ごし方を後悔するとしたら、それは遊んだ時間や旅行じゃなくて『無駄に過ごした時間』を後悔するからだ。遊びに旅行にと時間を有効に使えば満足感や達成感がある。それはいいことなんだ。そうじゃなくて例えば何となくスマホをいじってたとか動画見てたとか、ただボーっと過ごしたとかベッドに横になってたとか。そんな時間を後悔する。」

「動画見るのとか楽しいですけど」

「うん。だから何となくって言った。時間を決めてするのはいいと思う。息抜きも大事だからね。ただそれを何となくやボーっとされるとどんどん時間が経ってしまう。これが良くないんだな。」

「何でも時間で区切れと?」

「だいたいあってる。無駄に過ごす時間を極力減らそうって事。例えば朝はまだ涼しいから〇時から〇時までは勉強。午後は暑いから〇時から〇時までは自由時間(スマホ・動画・ボーっとするならこの時間!)少し涼しくなった〇時から夕食までまた勉強。
夕食後すぐに勉強なんて出来ないから食後〇分は自由時間。夜は〇時まで勉強。そのあとはあまり夜更かしせずに寝る。こんな感じか?」

「結構勉強時間多いですね」

「でもよく見てみたら出来なくもない感じじゃない?」

「ん~、確かに」

「じゃあ最初の1週間はこんな感じで頑張ってみよう。それで『無理』とか『もっといける』って思ったら次の週のスケジュールを修正していこう。」

「は~い」