「という訳で春休みだ。」

「身体、大丈夫ですか?」

「大丈夫だ!これからは新年度に向けて一段ギアを上げていくぞ?」

「せんせ~、無理せずマイペースでいきましょうよ。ギア上げは身体に悪いですよ」

「ほぉ~。じゃあ先生が不調だった時期も少なくともギアは下がってはいないんだろうなぁ。課題出来た?」

「いやぁ、あの課題は難しくて、しかもボリュームもあったのでなかなか・・・」

「ギアが下がっとるやんけ!難しい問題も確かにあったけど、実力を考えれば終わらないはずがない。せめて元のペースには戻すぞ。」

「・・・は~い。それなりには頑張ったんだけど」

「やっぱり先生のフォローなしではペースを維持するのは難しかったかな?」

「ん~。『今の実力と受験生の自覚があればこれくらい出来る』って言われたけど、正直受験生の自覚っていうのはあんまりないからその分?かなぁ。やっぱりちょっとしんどかったです」

「なるほど。おぉ!8割9割までは進んでるならギアが下がってるまでは言いすぎかな。自分なりにペースを維持した結果がこれ位だったって感じか。正解率も悪くないし、フォローがない中でよく踏ん張れたかな。よしよし、よく頑張った!」

「ところで、『受験生の自覚』ってどんなものなんですか?」

「『自分は受験生です!』って思うことじゃない?駄目?」

「そのまんま過ぎて」

「『受験から逆算して自分で勉強をコントロール出来る様になること』かなぁ。自分に必要な勉強が何なのかを自分で理解しているっていうか。それが出来る生徒を見ると『おっ、自覚出てきたな』って感じるし。もちろん3年生でどんなことを学ぶかわからない段階で、受験から逆算しろって言われても難しいわな。だから、中学3年の授業がある程度進んでゴールが見えてくるまでは、1,2年で学んだことの復習をすること、になるかな。」

「それが自覚なんですか?」

「ゴールが見えればそこへ向けて全力で走れるけれど、見えなければなかなか全力で走れないよね。じゃあゴールが見えるその時までにしておくべきことは何か。それはぺース配分(常に勉強をし続ける習慣)とコンディション調整(しっかりと復習して苦手な分野を出来る限り減らしておく)の2つが中心になる。」

「うん、う~ん・・・」

「まぁ、いつか『これが受験か!受験勉強か!」ってわかる時がくるから、その時の為の準備をしておこうって感じでいいかな。その準備ってのが勉強の習慣化と今までの復習だ。」

「はい」

「勉強の習慣化は大分出来ているみたいだから、まずは1日の勉強時間をもう10分のばそう。もちろん集中した状態でな。いい加減に10分のばしても意味がない。で、その10分は復習に使おう。教科書・資料集を読む、間違えた単語・漢字を書き直す、公式を書いてみる。何でもいい。その10分が毎日出来れば1か月で300分、つまり5時間だ。かなり違うぞ~!」

「自覚はまだないけど、それ位なら出来そうなんで頑張ってやってみます」

「よし。じゃ、まずはプラス10分の習慣化から始めよう!」