「あぢ~い!あじゅすぎる~!せんせ~お茶!」

「お~お~、暑い中よく来たな。先生はお茶ではありません。」

「なんでもいいから何か冷たいものを・・・あ~クーラー聞いててチョ~涼しい!!」

「まあな。これだけ暑ければな。ほらよ。アイスキャンディーでも食ってろ。」

「あ~生き返る~!冬と違っていい感じです」

「・・・ん?冬と違うとは?」

「ほら。冬の塾って気持ち寒かったじゃないですか。だから夏もケチって少し暑いんじゃないかって思ってたから。でもこれだけ涼しいとテンション上がるわ~」

「別にケチっているわけじゃない。アイス没収するぞ。」

「あ~すいません。はよ食べよ」

「暑いと頭がボーっとするだろ?」

「そうですか?」

「まあ、お前さんはいつもボーっとしてるから気付かんか。」

「あれ?ディスられた?でも確かにそうかもです」

「暑いと意識が勉強以外の事にいってしまうからな。実際、『暑い』って感じている時点でやや不快感があり、完全には勉強に集中出来ていない状態になっているみたいだぞ。だから夏も冬も少し室温を下げているんだよ。ほら、少し汗も引いてきたろ?」

「あ~、だから家では集中して勉強が出来ないのか~。どおりで夏休みの宿題や塾の課題が進まないわけだ」

「おいっ!!」

「いやぁ、今年は暑いから仕方がないですね」

「家にだってクーラーあるだろ!」

「あったかなぁ?あったとしてもつけ方が・・・」

「リモコン一つで簡単に起動するだろうが!課題増やしてほしいのか?あ?」

「あっそういえば家に、というか自分の部屋にもクーラーありました!つけ方も今思い出しました!」

「で?クーラーが効いた部屋で何してたんだよ?」

「え~っと、テレビ見て、ゲームして~」

「・・・ほう、それで?」

「ネット動画見て、本やマンガ読んで~」

「よんで~?」

「寝る」

「勉強!!」

「いや、さすがにちょっとはしてますよ」

「ちょっと?」

「ちょっとともうちょっとくらいはしてます」

「で?宿題は?課題は?」

「こんな感じです」

「・・・お~。見事に最低限はやってある感じやな。最低限。」

「そこを強調しないでくださいよ~」

「夏休み前にスケジュール立てたろ?あれどうなった。」

「わりかし計画通りですよ。見てみますか?」

「・・・おうっ!遊びの予定がてんこ盛り盛りで勉強の予定少なっ!いや、むしろこの予定でこれだけ課題が出来てるほうがすごいわ。」

「わたし、やるときはやるので!」

「いやいや。そもそも勉強の絶対時間が足りないぞ。」

「これ以上勉強したらクーラーが壊れるかも」

「壊れません!後半の予定をちょっと立て直すぞ。さすがに足りないわ。」

「え~」

「実力テスト」

「え~」

「次回までにお盆以降のスケジュールを立て直して持ってくること!」

「課題はそれだけですか?」

「なわけあるか!勉強は勉強で課題があるの!」

「え~」