「よしっ。これで全科目のテストがそろったな。感想は?」

「前より点数が上がってよかったです。」

「まぁ、学年末が自分の実力に対して低すぎたのもあるけれど、全ての科目で平均点の変動以上に自分の点数が上がっているから、順位も偏差値も上がってるな。よく頑張った!」

「よく聞くんですけど、偏差値って何ですか?」

「あ~、すごく簡単に言うと学校内での自分の順位だと思っていい。それを点数や順位とは違う見方で表したものかな?イメージとしては『平均点との差』って考えればいいよ。入試の合格ラインとかはよくこの指標で表されるな。詳しくは高校で習うけど・・・」

「習うけど・・・?」

「みんなあんまり詳しくは理解してないかな?大学受験でもそこまで多く見かけるものでもないし。」

「あ~・・・」

「例えば80点と60点。どっちのほうがいい?」

「そりゃ80点でしょ。こんなの小1でもわかるんじゃない?」

「同じテストだったり、平均点が同じならな。でも平均点が違ってくるとそうでもなくなる。」

「例えば?」

「平均点が70点のテストで80点を取った場合と、平均点が40点で60点を取った場合だったら?」

「80点だけど平均+10点、60点だけど平均+20点。平均点から上に離れている分順位が上になっているってわけか。なるほどね~」

「大体のイメージはそれでいいかな。ちなみに同じ平均点+10点だった場合は平均点が低いほど価値がある。問題が難しい分『+10点』するのが大変だからだ。これからは、ただ点数よりも偏差値や順位を気にするようにしていこう。といっても学校は偏差値までは出してくれないから『平均点との差』に注目や。『せんせ~、前より10点下がった』って言って凹んでいても、もし平均点が20点下がっていれば自分の偏差値≒順位が上がっていることになるし。」

「でも、せんせ~はいい点取れっていうじゃん!」

「まっ、平均点に関係なくいい点であるほうがいいに決まってるし。あと、本当に勉強を極めていけば平均点に関係なく高得点が取れるようになる。平均点が70点でも40点でも関係なく90点以上取ってるやつ1人くらいおらん?」

「おるわ~。でもあいつは変態やから(笑)」

「自分もその変態を目指していくんやぞ。全科目とは言わないけれど、得意科目の1つくらいはそうなりたいねぇ。」

「いやいや、そんなの無理だって!」

「すぐにはな。まずはその前の段階。『平均点+〇点以上を取り続ける』を目標にしてみよう。例えば一番得意な英語。これを『平均点+20点』取ることを目標にしよう。」

「えっ・・・」

「だって今回取れてるじゃん。別にいつでも90点以上とは言ってない。平均点が70点だったら90点以上だけど、平均点が50点だったら70点以上でいいんだから。別に平均+40点の90点を取れとは言わんよ。」

「あれ?でもさっきの話の流れだと、平均点が下がるほうが+20点って取りにくくなるんじゃ・・・」

「かしこくなったな~。まっその通りやな。平均点が30点のテストで50点取れたらかなりすごいし、平均点が10点のテストで30点も取れたらそれこそ神やろ(笑)」

「期末テストって大体中間テストより平均点って下がりません?」

「おう!テスト範囲も広くなるしほぼ下がっているな。」

「それで『平均点+20点以上』とかハードル高くないですか?」

「『ちょっと難しいかも』くらいを目標にしないと勉強に身が入らないでしょ。」

「わかりました。じゃ、英語だけは頑張ります。」

「何言ってんだ。これから全科目の目標を作るんだぞ。」

「『全科目平均点+20点』とかそんなの無理!絶対に無理!!」

「話をちゃんと聞けや。さっき『得意科目』の英語はって言ったでしょ。『全科目平均点+20点』がいいなら別にいいけど。」

「よくないよくない!」

「じゃ、残り4科目の目標を決めていくぞ。」

「あ~あ・・・は~い」