「復習は順調かな?」

「そうでもないです。難しい問題も多いですし」

「前にも話したけど『解けそうな問題』を優先して復習するんだぞ。その後に『分からなかった・出来なかった問題』の復習をするんだ。」

「わかってはいるんですけど、たとえ難しくても次に似たような問題が出たときに解けなかったら嫌だなって感じて、ついつい全部丁寧に復習しちゃうんですよ」

「気持ちは解らなくもないし、姿勢も別に間違ってはいないけどな。」

「でも、ダメなんですよね?」

「別にダメだとは言っていないぞ。効率が非常に悪いってだけ。時間が限られている中で、難しい問題を時間をかけてやっとこ1つ理解するよりは、同じ時間で解けそうな問題を2つ3つ攻略していったほうが短時間で点数が上がるかな~って思うわけよ。」

「心配性なんです」

「であれば、他の人よりも勉強時間を増やすしかないかな。」

「うぅ・・・」

「まさかテストを100点満点と考えて、全部解けるように頑張らなきゃいけないとか思ってないよな?」

「えっ?違うんですか?」

「テストでは捨てる勇気も必要だ。テストで全部解かなきゃって思ってると難しい問題に時間かけすぎて失敗をするぞ?」

「つまり?」

「100点満点の60点より80点満点の70点のほうが結果はいいって事。頑張っても解けないであろう20点分に時間をかけすぎた結果、取れたはずの10点を落とすようなことが起きる事もあるぞっていうね。」

「え~!最初から20点分を捨ててしまうんですか?」

「うん、例えばだけどね。だってわからない問題はテスト中に考えたって多分わからないままでしょ。時間の無駄じゃん。それだったらその時間を見直しに使おうよ。」

「でも、私が諦めた問題を他の人は解くかもしれないじゃないですか。そこで差がついてしまわないですか?」

「自分が超上位校を目指しているのならな。ただ、自分がわからないっていう問題はみんなにとっても難しいんじゃないか?だから仮に自分が間違えたとしても、まわりの皆も同じように間違えているだろうから、そこじゃ差がつかない可能性が高いぞ。むしろやさしい問題をミスしたほうがダメージとしては大きい。だってまわりの皆の多くは正解しているだろうからね。」

「どうすればいいですか?」

「さっきも言ったけど問題を捨てる勇気を持つことだね。志望校の合格ラインを見てみると、今解けている問題と解けそうな問題を合わせれば余裕で届いている。つまり、『解けそうな問題』をしっかり解けるようになるまで復習して習得すれば、理解できなさそうな難しい問題にチャレンジしなくても十分合格出来るはずだ。そして、『自分が解けない問題は皆も解けない』って考えるといいな。大事なのは『いかに難しい問題を正解するか』じゃなくて『いかにやさしい問題をミスしないか』だからな!」

「頑張ります」