「朝晩も随分と涼しくなったし、昼間も心地よい暖かさ。ほんといい季節になったなぁ。」
「そうですね。学校もここぞとばかりに運動会・遠足・合唱コンクールといろいろ詰め込んできてます!」
「スポーツの秋や文化・芸術の秋って言うくらいだからな。って大事な秋を忘れてるだろ!何や?」
「食欲の秋ですか?」
「おい!ここは塾だぞ!」
「わかってますって。読書の秋ですよね?」
「ん~、間違ってないけどそれじゃない。」
「となると~?」
「露骨に避けるんじゃない!『勉強の秋』だろ!」
「勉強って季節問わずやる気になる事ってないじゃないですか~。だから無理に『勉強の秋』とか言わなくていいと思うんですよね~」
「わかった。言わなくていいから勉強しろ。行事の間にしっかりと中間テストがあるだろ!」
「中間テストを意識させないための行事じゃないんですか?」
「そんなわけないだろ!テストの成績が悪かったら、また担任の先生から怒られるぞ。行事は行事、テストはテスト、でしょ。」
「まぁ、そうなんですけどね~」
「わかっているならよろしい。特に2学期の中間テストは範囲も狭く、夏休みの勉強の成果が出やすい試験でもある。今年の夏休みは計画通り予習も復習もしっかり出来ただろ?その復習の成果が実力テストで、予習の成果が中間テストで出るはずなんだが。」
「あ~、でもいつものテストより余裕あるかも。あんまり焦りとか感じないし」
「でしょでしょ?ただ、焦らないからって余裕こいてたらテストぎりぎりになって焦ることになるから、この心の余裕を生かして今のうちからしっかりとテスト対策していくぞ。まあ、普通に頑張れば全科目今までよりワンランク上の点数が取れるはずだ。偏差値的にね。」
「偏差値的?」
「超簡単に言えば、順位が上がるって事だな。テストは難しさによって点数がかなり変化するから、テストが難しかった場合自分が頑張っても必ずしも点数が上がるとは限らない。」
「それはマズいですね~」
「全然マズくないぞ。例えば、前回平均点が60点のテストで自分が70点だったものが、今回平均点が40点のテストで自分が60点になったとする。確かに自分の点数は10点下がってしまっているけど、平均点との差を見てみると+10点から+20点に上がっている。仮に自分の点数が下がったとしても、まわりのみんなの点数がもっと下がっていたら、それは自分の順位が上がったってことになるわけ。」
「平均点との差を見ろって事ですか?それが偏差値ですか?」
「ん~、厳密にいうとちょっと違ったりもするけど、差し当たってその感覚でいいかな。だから、これからは『テストで何点』って目標じゃなくて『平均点より+〇点』って目標にしていくぞ。さ、じゃあ早速始めるか。」
「この余裕を生かせるように頑張ります」