「台風も過ぎ去ってようやく秋らしくなってきたなぁ。」

「そうですね。まぁ、教室にようやく冷房が入ったので特に気にはならなかったけど、登下校だけで汗だく!みたいな事はなくなったので楽になりました!」

「結局運動会もすることになったんだっけ?」

「はい。規模縮小&無観客ではあるけれど、今まで全然行事がなかったので楽しみです!」

「コロナウイルスが下火になっている今がチャンスやからな。外出するのも、イベントするのも多分今年のラストチャンスや。」

「えっ?」

「寒くなったら確実に再流行してしまうだろうし、初期症状がコロナとインフルエンザで区別がつきにくいから学校としても対応が大変になり、少なくともイベントとかやってる場合じゃなくなるんじゃないか?コロナの正体が少しずつ見えてきた気もするけれど、完全に対処できるまでにはまだ時間がかかりそうだし。」

「そういえば、合唱コンクールは延期になって開催が未定のままです。」

「合唱コンクールはきついよなぁ。密だし声出すし。未定という名の中止かもしれないな。」

「やっぱり・・・」

「だが、それ以外のことはだいたい学校で出来るはずだ。今はまだね。だから今のうちに学校生活を楽しんでおいたほうがいい。勉強も、部活動も全力だ!」

「まぁ」

「だってそうじゃないか?休校が始まってすぐは学校が休みになってラッキー!って感じもあったけれど、遊びに行けない、そもそも外出も簡単に出来ないってなった時、普通に学校に通えているありがたみを感じたんじゃない?スマホやパソコン越しじゃなく、生身の人間とワイワイするのはやっぱり楽しいんだって!今はマスクが必須とはいえ一応普段通りに学校生活が出来る状態にある。その普通であることに感謝をしながら、全力で中学校生活を楽しまなきゃ!」

「言われてみればそうですね」

「そして学校や塾の課題も全力で取り組まなきゃ!」

「・・・別にそうは思ってないですけど」

「思わんか~い!先生としては今年度中にカリキュラムが通常通り終了することを前提として、逆算して授業の予定を立てているんだ。ただでさえ遅れているんだからやってもらわないと困るんです!やってください!お願いします!」

「そこまでお願いされれば頑張らないこともないかも・・・」

「そこまで言われんでも頑張らんかい!」