「さて、春休みモードだが、復習のほうは順調かね?」

「遊びに行きた~い!どこにも出かけられないし。普通につまんない!」

「たまには外に出たらいいんじゃない?」

「どこの店も『小中学生は入っちゃダメ!』みたいになってるんですよ。行く場所がないじゃないですか」

「だから『外に出る』んだって。なんで外に出てまた『建物の中』に入るんだよ!外だよ外!」

「え~、外の何が楽しいんですか?」

「今みたいに娯楽が多くなかった頃は、当たり前のように外へ出かけたけどな。」

「どこのおじいちゃんですか?」

「うるさい!でも、外に出る息抜きも必要だと思うぞ。確かに勉強は大事だしやってもらわないと困るが、追い込みの時期じゃないし、そもそもそこまで追い込めないだろう。メリハリ付けて勉強しようって事。」

「で、外って交差点の真ん中で立ってるとか?」

「死ぬ死ぬ!もうちょっと前向きに考えろ。例えば、金沢観光屋外版とか。」

「え~」

「片町とか竪町とかは行くけど、武家屋敷とか茶屋街のほうってほとんど知らないやろ?地元を知っておく事も大切やぞ。今は観光客も少なくて『濃厚接触』になることもまずない。」

「せんせ~は行ったんですか?」

「いや。そこまでの時間が取れなくてな。でもちょいちょい丘陵公園で散歩してるぞ。眺めもいいし、いい気分転換になる。」

「・・・他には?」

「行きたいと思っているのはいしかわ動物園やな。すぐそこの高校前バス停から直通でバスも出てるし。」

「やってるんですか?」

「普通にやっているっぽいな。ホームページも更新されていたぞ。家族連れがいるかもしれないが、やっぱり『濃厚接触』になるほど混んでいるとは思わない。そもそもすごく広いし。動物に癒されるのもいいんじゃない?」

「う~ん。悪くないかも。」

「楽しい予定を立てて、それを目標にメリハリ付けた生活をしていこう。はい課題。」

「う~・・・」

「当然、勉強あっての息抜きや。息を抜きすぎないように!」