「休校始まったな。」

「せんせーの言った通りでしたね。」

「まぁ準備期間を作ってから実施するというのは、混乱を避ける意味でも正解だったと思う。市長さんグッジョブや。」

「休み損した気がしなくもないですけど」

「もしかしたらクラスの仲間と過ごせた最後の3日間やったかもしれんぞ。4月にはクラス替えがあるんだから。貴重な3日間だったと考えろ。」

「まぁ、クラス全員じゃないけど友達とは会えてるし問題ないですけど」

「あれ?休校中って原則自宅待機じゃないの?」

「えぇまぁそうですけど・・・」

「えぇまぁそうですけどの状態でどうやって友達と会うんだよ!ま~たどっか出歩いてるな?」

「でも、カラオケもゲーセンもボウリング場も映画館も入れませんでした。結局街をプラプラ歩いて後は友達の家でゲームしてたかな?」

「『入れませんでした。』ってそこまでは行ったんかい!入れないに決まってるだろ!で結局友達の家か。う~ん・・・。学校で課題とか出されてないのか?普通に出てると思うんだけど。」

「出されました。夏休みばりにガッツリと。」

「だろうな。それをしろよそれを!」

「でもほら、禁止されると破りたくなるんですよ。外出するなと言われるとつい出たく・・・」

「じゃあ勉強するなと言われるとつい勉強したくなるか?」

「なりません!」

「即答かよ。でもその代償がコロナウイルスの蔓延と自分の健康だからな。割に合うかどうか怪しいけど。まぁ、そんなに出かけたいなら塾に来ればいい。課題をたくさん用意してお出迎えしてやるぞ。消毒もバッチリしてな。」

「今日だって塾が休みじゃないから来たわけですけど。あれ?ってことは」

「おう、課題をたっぷり用意してあるぜ。」

「うあ~」

「一年間の復習をする絶好の機会をもらえたんだ。ぶっちゃけ復習に関しては学校の授業より塾+自宅でしっかり勉強したほうが
よっぽど効率がいいからな。」

「せんせーやる気満々ですやん」

「気分はちょっと早い春期講習やな。ガンガン課題解いて出来ないところを叩きのめす!いいじゃないの春っぽくて。」

「学校の課題もあるんですけど」

「学校の課題と塾の課題を両方やれば問題なし!しっかりやったら外へ遊びに行く暇なんかないぞ。こんな状況だからこそ勉強三昧や。遊ぶやつも多いやろうから、新年度に結構な差がつくぞ。お得!!」

「お得かは分からないですけど、やらなきゃしばかれそうなので・・・」

「いや~そんなことしないって。課題が出来てなければさらに追加の課題を出すだけだし。」

「それ、精神的にしばきにきてますよ」

「じゃあそうならないように頑張れ。もちろんフォローはするぞ。」

「あ~あ。これ、学校があったほうが楽なんじゃね?」

「楽だと思うぞ。だから楽せず頑張れば差をつけられるチャンスなんじゃないか。はよはよ。」

「わかりましたよ。解きますって!」