「お~、今ニュースで安倍首相が出て来て、来週から学校休みにするってよ。」

「マジ?やった!学年末前やったらもっと良かったけど、まぁテスト終わった後の学校なんて面倒なだけだから超ラッキー!どこ遊びに行こうかな?」

「あのなぁ。休校になるって事は、基本的には外出を控えろってことだろ?別に春休みを一足早くプレゼントとかじゃないんだから。」

「えっそういう事?しゃあない。じゃあ家でゲーム三昧やな」

「あの~すいません。勉強のほうはどうなってますでしょうか?」

「学校休みやから授業進まんし、学年末はもう終わったから、今から習うところのテストとかないし。学校も勉強もお休みでいいと思います!」

「いいわけないだろ!」

「じゃあ、やっぱり思い切ってテーマパークにでも行こうかな?」

「じゃあ、じゃねーよ!休校の意味!!大体テーマパークもお前さんみたいなアホぽんが大挙してやってくるのを警戒して、早いうちに休園にすると思うぞ。」

「え~」

「はい、おとなしく勉強しましょ!」

「やる事ない」

「心配しなさんな。塾からたっぷり課題を出してあげようではないか。」

「は?塾は休みじゃないの?」

「普通にやってるぞ。他のほとんどの塾は一時的に休校にするみたいだけど、うちは違う。なんせ環境が大きく違うからな。」

「まあ、教室にいるのが先生と俺の2人だけですしね」

「そう。完全1対1なんだから、この空間に2人だけだ。自習スペースも閉鎖中だから、完全に2人っきりだ。まぁ、そうじゃなかったらこんなバカみたいな会話できんけどな。周りに人がいたら、かなり恥ずかしい内容だぞ。」

「せんせ~、しっかりしてください」

「恥ずかしい原因の99%はお前さんのアホな発言のせいだ。お前さんがしっかりしやがれ!」

「そういえばせんせーはコロナウイルス大丈夫なん?」

「細心の注意は払っている。現に今もマスクしたまま授業しているし、そこら中を次亜塩素酸水(除菌水)で拭いているしな。胸ポケットにも次亜塩素酸のスティックを入れている。」

「見た感じ怪しいですもんね」

「ウイルスが見えない以上『絶対』っというものはないし、無自覚・無症状のこともあるらしいからこればかりはどうしようもない。ただ、出来る限りの対策をして授業をしているわけだ。」

「じゃあ、本当に塾は休みにならないんですね。」

「もちろん、塾に来ることを強制するつもりはない。ちゃんとどこかで代替授業はするぞ。ただ、他の塾が閉まっている中で塾に来れるメリットは大きいと思うぞ。学年末後から新年度の間ってかなり重要だったりするからな。自力ではどうにもならない所が必ずでてくるはずだ。今までで一番周りと差をつけるチャンスかもな!なんせ、他の生徒は塾に行けないんだから。」

「マジっすか!チャンスだっていうならちょっと頑張ります!」