「いや~今年の夏も暑かったなぁ。」

「そ~ですね。あまりの暑さで勉強に集中できませんでした」

「は?」

「まぁ、この暑さなら仕方ないでしょ」

「自分の部屋にエアコンあるんだろ?」

「もちろんです!」

「冷房付けてたんだろ?」

「そりゃあもちろん!」

「でも~勉強は~」

「出来ませんでした~。残念!」

「しばくぞ!!」

「いや、一応塾で出されていた課題は全部やったんですよ?」

「おっ?」

「ただ、その課題の復習までは出来てないので・・・」

「お~お~」

「実力テストが少し不安だなと思って・・・」

「お~」

「相談に来たんです。はいこれ旅行に行ったおみやげです」

「ありがとう!!早速復習するぞ!ちゃんとフォローするから!!」

「せんせ~、テンション超上がった!」

「だってこの夏イベントがほとんどなかったから。」

「どこにも出かけなかったんですか?」

「一番遠くて21世紀美術館。」

「近っ!すぐそこじゃないですか」

「だって暑かったんだもん。どっか出かける元気がなかったんだもん。」

「私と同じような言い訳してますね」

「中学生が勉強をするのは義務!先生がどこにも出かけないのは自由!だから違う!先生が『暑い~!やる気でない~!一緒に復習とかするのやだ~』って言い始めたら同じ状態やな。先生にとってはみんなに勉強を教えることや相談に乗ることが仕事であり義務みたいなものだから。そこはちゃんとやってるやろ?」

「そうですか?」

「さて、この分野の一番難しい問題はどれだったかな、と。」

「あ~すいません。役に立ってます。大変感謝してます!」

「で、何だって?課題は終わったけど復習が出来ていないとな?」

「そうなんです。」

「凡ミスなのか理解不能なのかの振り分けは?」

「それはしてあります。ただ優先順位が・・・」

「まっ、どのみち全部復習するわけだから順番は先生が決めよう。まずはすぐに直せそうなミス。次にテストに直結しそうな問題。それから実力アップに必要な問題。その他の順かな?」

「わかりました。体も冷えてすっきりしたので頑張ります。」