「というわけで、中間テストの復習はこれくらいか。結構かかったな。」

「だって間違えた問題と自信がなかった問題を全部丁寧にふれていったから・・・」

「いいんや。受験のことを考えれば、テスト前の対策よりテスト後の復習のほうがよっぽど大切やからな。」

「でもテスト対策したほうがテストでいい点数取れそうなのに・・・」

「だ~か~ら~、普段から予習と復習をしっかりしていれば、そもそもテスト対策なんて必要ないんだって。普段の勉強が『テスト対策』であり『受験対策』になっているから。何なら明日テストだっていいわけだ。」

「よくないよくない(笑)」

「そうか?今テストをしたら確実に中間テストより偏差値も順位も上がってるぞ。」

「え?」

「そりゃそうでしょ。テスト終わった途端『部活が~』とか『テスト勉強終わった~』とかいって勉強のペースが落ちてる人がいっぱいいるじゃん。今テストをするって事は、言いかえれば自分はテスト対策の勉強をしてるけど、多くの人はノー勉でテストを受けるようなもんだ。な?順位上がりそうだろ?」

「たしかに。あ~、そういうタイミングでテスト受けたいわ」

「それに近くなるチャンスがある。」

「いつ?」

「夏休み明けの実力テスト。もちろんみんなが勉強しないわけじゃないけれど、明確な『テスト週間』はないし、なにより夏休み中だから、自宅で勉強のリズムを作れていない人はほぼノー勉のままテスト、みたいな事も普通にある。実際成績表を見ると定期テストと比べて点数にバラツキがある。つまり勉強した人としていない人の差が大きく出ているってことだな。」

「おお~。じゃあ今から頑張っておけば実力テストでいい結果が出せそうだと?」

「そういうことだな。実力テストは範囲が1学期に習ったところ全部と、定期テストに比べて広い。つまりより入試本番に近いテストだと言える。定期テストを評価しないわけじゃないけれど、実力テストの成績のほうが『真の実力』って感じがするかな。よく『定期テストはいい点数取れるけど、実力テストは苦手』って人がいるけど、それは『短期の暗記力はあるけれど、積み上げは出来ていない』。つまり『実力がない人』だと思っている。逆に実力テストで結果を出せる人は入試向き。『実力のある人』になるかな。」

「なるほど」

「その『実力のある人』になってもらいたいから、テストが終わったばかりの今からしっかり復習しているわけだ。実力テストで、その先にある入試本番でいい点数を取ってもらうためにもな。」

「せんせ~にとってのテストの評価ってどんな感じなんですか?」

「重要度から言えば『学年末』>『実力』>『期末』>『中間』かな。単純にテスト範囲が広くなるほど入試に近い形式のテストになる。それだけ大事なテストになるって感じやな。」

「え~、中間テスト頑張ったのに評価低いん?」

「いや、前回の学年末テストで崩れたから、そこからの立て直しという意味でもこの中間テストの頑張りはすごく評価しているぞ。ただ、前学年の復習はまだ完全には出来ていないから、その復習を夏休みにしたい。そのためにも今、学校で学んでいる内容はリアルタイムでマスターしていってもらいたい。そのための最も簡単かつ確実な方法が『毎日予習と復習をすること』。少なくとも『毎日復習をすること』。記憶が新しいうちにしっかり知識として定着させてしまうんや。大変だとは思うけどこんな感じがあと1か月は続くかな。」

「う~。でもちゃんと私のこと考えててくれてよかった」

「当たり前や。一応『塾の先生』やからな。1対1でやってるからこそ普段からこういう深い話も出来るんやし。心配するな。中間テストでこれだけ頑張れたってことは普通にリカバリーが効くってことだ。夏休みにしっかり復習すればもう一段二段上にいけるぞ!」

「うん!」

「じゃあ、期末テストの準備もしつつ次の課題と行くか!」