「でもせんせ~。模範解答がないから配点がわかりませんよ?」

「あぁそっか。でも、いま自分で自己採点した結果と実際のテストの結果のズレが少なくなればいいんだ。」

「△の問題は答えを調べて〇か×かに分けましたけど、やっぱり部分点とかはわからないから点数って結構ずれません?」

「先生が気にしているのは、『点数のズレ』じゃなくて『自己採点のズレ』な。」

「?自己採点のズレ?」

「そう。自己採点のズレ。いま自己採点した結果と実際の結果が違うとしたらそれは『正解だ思っていた問題が間違っていた』パターンがほとんどのはずだ。記述問題とかで正解だと思っていたものが減点されているのはまあ仕方ないとしよう。でもそれ以外でズレがあるって事は・・・」

「〇が×に・・・あっ、凡ミスとかうっかりとか!」

「それそれ。それを減らしたいわけよ。自己採点とのズレが大きいほど凡ミスが多い。つまり『見直しがしっかり出来ていない』って事になる。後から見直してみたらちゃんと正解出来ているのに、テストでは違うことを書いている。しかもそれを見直しで気付けない。もったいないだろ?『先生、これうっかりでした。わかってました』って言ったって正解にはならないからな。」

「そもそもテスト中に見直しする余裕があまり・・・」

「ん?テストってどうやって解いてるんや?」

「どうって、最初から順番にバーっと。で最後まで行ったら飛ばした問題に戻って考えてみるって感じですけど」

「テストは最初に全体を見てみて、解けそうな大問から解いていけ。テストは易しい順に並んでいるわけでも、自分が解きやすい順に並んでいるわけでもないからな。で、飛ばした問題に戻る前に見直しをしたほうがいい。飛ばした問題が正解になるより、凡ミスに気付いて正解になるほうが可能性がはるかに高い。」

「でもなんか、空白が多いと見た目が悪いというか・・・。少しでも空白が少ないほうがいいのかなって」

「空白でも0点。苦し紛れに何か書いても間違っていれば0点。結果は同じだよ。あまり時間をかけなくていい。いいか?中学校のテストは別に100点を目指しているわけじゃない。自分の実力でとれる点数の最大値にいかに近づけるかが勝負だ。例えば自分が60点取れそうなテストだったら、その60点分の問題に全力を注げ。残り40点分は真っ白でもいい。(復習はいるけどな)イメージとしては100点満点のテストで50点取るんじゃなくて、60点満点のテストで60点を取るんだ。」

「せんせ~、それテスト前に言ってよ!」

「いやいや、これくらいわかってると思ってたから。次からは見直し重視でな。」