「せんせ~、週末ずっと数学ばっかやっててもういやや。これで点数上がらんかったらもう数学やだ」
「まあ、難しさとか平均点とかも変わるから点数が上がるかどうかはわからないけれど、今のまま頑張れば『偏差値』は確実に上がるだろうよ。ペースはゆっくりだけどちゃんと基礎・基本問題はほぼ完ぺきに仕上がったじゃないか。」
「それはそうだけど。というかほかの教科は勉強しなくていいんですか?だんだん不安になってきたんですけど」
「心配するな。数学はとりあえずここまでや。後は再び暗記科目に戻るぞ。」
「ふあ~っと。やっと数学地獄から解放かぁ」
「その数学を始める前に暗記科目をある程度勉強しただろ?それを思い出す意味でも、もう一度教科書と資料集を読みなおすところから始めるぞ。前にも言ったけど暗記科目は『繰り返すこと』だ。そりゃ一発で完全に覚えられるなら繰り返す必要なんてないけれど、そうはいかないからな。何度も何度も繰り返して記憶に定着させてしまう。」
「はいはい」
「気を抜かず真剣にな。言うて暗記科目は教科書や資料集に書いてあることからしかテストに出ないんだから。いかに細かい所まで意識して読み返せるかが勝負や。今回はテスト勉強を早くスタートさせた分余裕があるから提出用にもう一度ワークをすべて解きなおすか?」
「え~、前回正解した問題もですか?」
「余裕がなければ間違えた問題だけでもいいけれど、まあ余裕もあるし。2回とも正解できた問題はテスト本番でも間違えないって自信も持てるじゃん。で、テスト前日に間違えたところだけを再度解きなおす。と。完璧じゃん!」
「なんか、よくある『出る順』みたいなほうが効率よくないですか?」
「心配するな。テスト範囲の狭い中間テストなんか、出る順も何も『すべての範囲から出る』よ。」
「いや、その中でも出る順にやったほうがいいのかなと思って」
「自分の知識・理解度があいまいな問題の中の『出る順』な。だいたい『出る順』の上位に来ているものは誰でも解けるような『超基礎問題』だ。そんなの解いても解かなくても一緒やん。怪しい問題を繰り返し解いて本番に正解できるようにするほうが大事やろ。」
「いや、凡ミスとかもあるかもだし」
「凡ミス対策に必要なのは、超基礎問題を繰り返して完璧にすることじゃなくて、問題が解き終わったら間違っていると思って見直しをすることだ。」
「その対策はどうすればいいんですか?」
「これから提出用にもう一度ワークを解きなおすだろう?そのあとすぐに採点をするんじゃなくて、間違ってないかを念入りに確かめてから採点すればいいよ。」
「それをすると正解している問題を直して間違いにしちゃうことも多いんですよね~」
「いいことじゃん。それはたとえ正解してても『たまたま』なわけで、絶対正解しているという自信がなかった問題ってことだ。こうやって見直しているときに迷った問題は、間違えた問題とは別の印をつけておくといいな。たとえ正解でも不正解でも復習する価値がある。で、テスト直前にもう一度やり直すときには、迷わず正解が出せるようにする、と。」
「なるほど~。やっぱり先生って中学時代は暗記科目得意でした?」
「まぁな。数学が死んでたからほかの科目で点数を稼がなきゃいけなかったし。」
「やっぱ、凡ミスとかってしなかったんですか?」
「んとねぇ。『ヒラヤマ山脈(平山?)』『卑呼子(ひここ?)』『福沢論吉(ろんきち?)』『新石白石(あらいし?)』『ほ虫類(ほ乳類?は虫類?)』『3×4=7(ん?)』とかパっと思い出しただけでも結構あるな。」
「何気に結構ひどくないですか?(笑)偉そうに見直ししろとか言えないレベルじゃ・・・」
「うるさい!これは先生の中学時代の失敗もあって『みんなには同じ失敗で無駄に点数を下げてほしくない』という思いもあってだな~・・・」
「・・・(*^-^*)」
「黙ってニコニコしてんじゃねえよ!じゃあ先生と同じ失敗しないようにしっかり見直ししろよ!」
「は~い」

