「せんせ~。数学がぜんっぜん進みません。昨日1日頑張ってみたけれどまだこれだけです。」

「ほんとに数学は苦手やからな~。ただ、ワークの提出があるやろうからノートに一通りはやったほうがいいな。数学はほかの科目と違って問題が明確に基礎・標準・発展と分かれているから、発展問題で出来なかった問題とかは模範解答を赤ペンで写すだけ、とかでもいいかもしれんな。テスト勉強とワークの提出は別物で考えよう。ただし、採点だけはインチキするなよ。心配するな。赤ペンだらけで見栄えが悪かったとしても、今の実力を考えたら全然おかしなことじゃないし恥ずかしいこともない。むしろ『ワークを解いたときは出来なかったけど、テスト勉強の成果で、テスト本番では似た問題が出来るようになってました。』とかのほうがイメージいいぞ。」

「そんなものですか?」

「当たり前だ。数学は短時間で劇的に点数が上がるような科目じゃない。だからまずはいつもの辛口採点で正確に出来る問題と出来ない問題を振り分ける。」

「・・・正解がほとんどないですけど・・・」

「いいんだ。辛口採点でも正解なら、テスト本番ではこの問題やこれに似た問題は確実に正解できるはずや。(計算ミスとかやめてよ)おっ、標準問題にも正解のやつあるじゃん!」

「あ~、なんとなく解き方がひらめいたかな。頭の片隅になんか残ってた。」

「いいじゃん!でも似たような問題の基礎問題はあかんかったか。」

「これは、解き方があいまいだったのと途中から計算間違いがあって・・・」

「でも、なんで間違えたかの理由が自分なりにわかっているじゃないか。さては自宅でまじめに勉強したな?」

「ま~、普段チャラいせんせ~が珍しくまじめだったから」

「は?先生はいつでもまじめオーラ全開だろうが!」

「ん?せんせ~近くの病院でクスリもらってきたほうがいいn・・・」

「だまらっしゃい!!まずは、まずは間違えた基礎問題を徹底的に復習するぞ。いいか?解き方を覚えて類題が完璧に出来るようになるまで徹底的にだ。もちろんフォローもするぞ。」

「はい」

「今回の目標は基礎問題を完璧にすることと、標準問題で正解出来た問題をなんとなくじゃなく確実に解けるようにすること。それとその問題が理解出来れば解けそうな問題がいくつかあるからそれも出来るようにすること。今回じゃないけど理想のゴールは標準問題まで全て確実に解けるようにすることかな。」

「発展問題は?」

「あんなのは数学が好きな人と、上位校目指す人が頑張ればいい問題。心配せんでも標準問題まで完璧に解けるようになったら、数学が足を引っ張るということはなくなるはずや。別に全教科90点以上目指している訳じゃないんだし。」

「少し安心しました」

「別に数学が大好きになって発展問題をガンガン解いてもらってもいいぞ。遠慮するな。」

「全然、間に合ってますから。じゃ、基礎問題の解説をお願いします。」