「といわけで残りは数学か。」

「一番苦手なんですよね~」

「知ってる。」

「どうしましょ。諦めますか?」

「まぁ、テストの後にしっかりと復習するというのであればぶっつけでテストを受けるのもありっちゃありだな。点数は死にそうだけど。」

「ほんとに死んじゃいますよ?下手すりゃ赤くなるくらいに。」

「大丈夫。知ってるから。」

「手を差し伸べてくれないんですか?」

「ほかの4科目でしっかりと点数が取れるんであれば数学には目をつぶろうじゃないか。あくまで入試本番では『5科目合計で何点取れるか』だからな。とは言っても、1科目だけど~んと点数が低いとイメージ悪そうだけど。むしろ中間テストで1回死んだほうがこれからの数学の勉強に危機感を持って取り組めるんじゃない?」

「そんな~。いい点数とはいいませんから、死なない程度に助けてください」

「しゃ~ないな。まずは一言。前にも言ったけど数学の点数アップに必要なのは数と種類をこなすことなんだよ。だからテスト前に追い込むんじゃなくて、日ごろの勉強の積み重ねが大事になってくる。なぜなら数学で覚えるべきことは『答え』ではなく『解き方』だからだ。数学のテストはワークと全く同じ問題が出ることはほとんどない。だからワークを解いて間違えてそれを直しました。ワークの答え覚えましたってなっても『解き方』を理解していないと、ワークとそっくりな問題が出ても数字が違うだけでまた解けなくなる。」

「そんな経験あります。『あれ?この問題ワークで見た?』って思ってもうまく解けなかったこととか。」

「それはテスト勉強でワークを解いたけれども『解き方』まではしっかりと理解しないままだったってことだな。」

「あ~・・・」

「だから数学でいい点数を取るためには、いろいろな種類の問題を解いてみて(最初は解けない問題も多いだろう)模範解答をみながらでいいから解き方を覚える。そして類題(似たような問題)を自力で解いてみる。(もちろんわからなければ塾に持ってきてくれ。)これの繰り返しだ。地味な作業だぞ~。」

「ですよね~。なんかワークを解いていても『でも、同じ問題は出ないからな~』って考えるとやる気が出なくて」

「気持ちは分かる。先生も中学時代は数学がダントツで苦手だったからな!」

「まぁ言われた通りやってみますけど1週間とちょっとでどれだけできるかな?」

「ほかの科目の勉強もあるし、数学が間に合わないって思うんだったら『この部分だけは』って自分で決めて、その問題だけは正解できるように頑張るっていうのも方法の1つかな。いろいろな種類の問題という意味では自分でもう1冊くらいは問題集を買ってみてもいいかもね。別に難しい問題集である必要は全然ない。おすすめなのは模範解答と解説が詳しいやつ。問題と解答が1:1くらいの割合になっているやつがいいな。」

「でもそのやり方だと結局いい点数取れなくないですか?」

「べつにいいじゃん。入試本番じゃないんだし。どれも中途半端に勉強して低い点数取るより、『これだけは』って決めて勉強した部分でしっかり点数をとってあとはおまけ程度、のほうがいいけどね。それがちゃんと出来ていれば多分死なない程度の点数にはなっているはずだから。で、全然できなかった部分はテストが終わってからしっかり復習して次の期末テストや夏休み明けの実力テストに生かせばいいんだし。」

「そうですか。やっぱ数学ってすぐには点数上がらないんだ」

「だって今まで大して勉強してこなかったじゃん!大丈夫、入試から逆算して考えれば全然間に合うから。あ、そうそうやっぱりワークに書き込むんじゃなくて方眼紙ノート(四角いマスが書いてあるノート)に書いたほうがいいかな。なんだかんだワークっていい問題がバランスよく出ているから、1回解くだけで終わらせるのはもったいない気がするし。」

「あ~あ、まっ出来るだけやってみます」